子供の矯正はいつからしたらいいのだろう?いつから始められるか?
- 「まだ3歳だが下の歯が前にある」
- 「出っ歯だから治したい」
- 「永久歯が生えてきたが、真っ直ぐ生えていない、他の永久歯も生えてくるスペースがなさそう」
- 「歯並びが悪いから子供のうちに治してあげたい」
など色々なケースがあり、気になる点も様々だと思われます。
いつから始めたらいいのか?何歳から出来るのだろう?早い方がいいのか?など始めるタイミングに迷われる方も多いと思います。
今回は小児矯正のタイミングについてお話しします。
小児矯正とは
小児矯正は、第1期治療と第2期治療に分かれます。こちらは治療する時期の違いになります。
第1期治療の多くは乳歯と永久歯が混在している『混合歯列期』に行います。
歯並びを整える治療というよりも、頭と顎の成長期であるこの時期に顎骨のバランスを整え歯の並ぶ土台となる顎の成長をコントロールしていき、永久歯が生えてきた時にきちんと並ぶためのスペースを確保できるようにしていきます。これは成長時期で骨が柔らかい時期だからこそ可能な治療で、第2期治療で抜歯せずに歯列を整えられる可能性が高くなります。
また、第1期治療を受けたことで、第2期治療の期間が短縮できたり、便宜抜歯の可能性を低くできたりします。第1期治療は第二期治療での便宜抜歯の可能性を低くできる唯一の方法です。
第1期治療の次は第2期治療です。第2期治療は永久歯が生えそろった『永久歯列期』に行います。成人の矯正治療と同じくブラケットやワイヤー装置などを使い歯を動かします。
第1期治療が必要だと思われる症例
上下の前歯の噛み合わせが逆に噛んでいる【反対咬合】(受け口・しゃくれ)
上顎が十分に成長できなかった場合や下顎が成長しすぎてしまった場合に起こります。前歯の噛み合わせが逆になってしまうと、上顎の成長を抑制してしまう形になり、さらに下顎が前に成長してしまうという悪循環に入ってしまいます。上下の歯がうまくかみ合わないため、ものを嚙み切るのがとても難しく、さらには発音がうまく出来なかったりもします。
上と下のズレが大きい【上顎前突】(混合歯列期における出っ歯)
上の前歯や上顎が前方に出ている状態。出っ歯は、指しゃぶり・爪を噛むなどの癖が原因であるケースが多いです。口を閉じにくく口腔内が乾燥しやすい為、虫歯や歯周病・口臭など様々なリスクが高まります。(出っ歯に関しては、前回詳しくお話ししていますのでご参照ください)
顎が狭いことによるガタガタがある状態【叢生】(乱ぐい歯・八重歯)
日本人で最も多いのがこの「叢生」で、歯が大きすぎたり顎が小さいことが原因であるケースが多いです。歯が生えてくるスペースが狭いため、歯同士が押し合い、デコボコな歯並びになります。デコボコしているので、歯磨きしづらく磨き残しによる虫歯リスクも高まります。
噛み合わせが悪い【交叉咬合】(すれ違い咬合・クロスバイト)
前歯もしくは奥歯の何本かが交叉している状態。片側の奥歯が交叉している場合は、食べ物を噛む際に顎をずらして噛んだりしてしまうので、顔が歪んでしまったり、どちらか片方の顎だけに負担がかかってしまう危険性があります。
第1期治療を始めるタイミング
基本的には上顎の成長期8~11才くらいからです。
生え変わりが始まった段階で行う1期治療から始められる場合は7~8才くらい
顎が逆に噛んでいる場合【反対咬合】などは、3~4才から始められるケースもあります。受け口は出っ歯より早い時期になります。出来る限り早期から治療をした方がいい結果になります。
こどもの出っ歯【上顎前突】の場合は8~10才くらいで、成長を利用する装置を使う事が多いのですが、場合によっては下顎の成長を促進させる事もあります。
2期矯正を始めるタイミング
2期治療の開始時期は、大体12歳以降になります。この頃になると、永久歯が生えそろい、顎の骨の発育もピークを越えるので歯並びの乱れを細かく整えるのに適した時期となります。
実働期間(矯正装置を装着している期間)は約1年半~2年
その後の保定期間(保定装置を装着している期間)は0.5~1年となりますので、お子様の場合は受験などもありストレスのかからない時期などを選択される場合もあります。
後は、成長の状態(まだ身長が伸びているなど)をみながら矯正医と相談しながら始める時期を決めていきます。